気ままにゲームレビュー#16 〜怒髪天を衝け。〜

人はなぜ怒るのか?

それは、行動を起こすエネルギーにするためだ。怒りは人の原動力になる。

そしてそれは、神様にだって言えること。

そんな怒れる神様を描いた超ド派手なアクションゲームがこちら。

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カプコン発売、ASURA'S WRATH(アスラズラース

今回は、こちらのゲームをレビューしていく。

〜ゲーム性〜

まずこのゲームにおいて手放しで褒めたいと思うところは、映像・演出のド派手さである。

f:id:metalgearlovepotter:20210830061213j:imageいきなり始まる宇宙の命運をかけた最終決戦。画面に写ってる隕石みたいなのも全部敵。最初からクライマックスとはまさにこのことである。

やってて胃もたれしそうな程の派手さが、このゲームの魅力だ。

アクション自体の完成度も高い。いつでも使える通常攻撃と一度使うとしばらく使えなくなる強攻撃に、遠距離射撃やダウン技など、バリエーション豊富なアクションで確かな爽快感を得ることができる。

f:id:metalgearlovepotter:20210830062559j:image容赦なく敵をぶっ飛ばす。感覚的にはゴッド・オブ・ウォーとかに近い。

今作の面白いところは、最終的なクリア条件が敵を全部倒すとかではなく、敵をぶっ飛ばしまくってゲージを最大まで貯めるというところである。

ゲージを貯め終わるとR2ボタンでBURSTというものを発動でき、それをもって戦闘が終了する。この戦闘終了の演出が凄く派手でカッコいいし、なにより敵を倒すというアクションの単純さに新鮮味が足されていてとても良かった。

f:id:metalgearlovepotter:20210830064000j:image決めろ!BURST!!

ところで皆さんは、QTEなるものをご存知だろうか。

制限時間内に画面上に表示されたボタンやスティックを押したり倒したりする要素のことだが、集中力に瞬発力、そして精度が同時に要求されるので苦手な人も多いこの要素。

このアスラズラースというゲームではこのQTEという要素が"やりすぎ"なくらい採用されている。

f:id:metalgearlovepotter:20210830003649j:image個人的に最も苦手なスティックをぐるぐるするQTE。大体ミスる。

このQTEを全面にプッシュしたゲーム性が、このゲームの評価をとても難しくしているのだ。

まず初見で思ったのが、"数が多すぎる"ということと"判定がシビアすぎる"ということ。

ムービー中にはほぼ必ず挟まれる上に、怒涛の様相を見せる戦闘カット中でのQTEなので判定時間がとても短い。初見でその激しい戦闘に見惚れていたら急に挟まってきて慌てて反応できずに失敗なんてのもしょっちゅうなので、あんまり優しくないなと思ってしまったのが正直なところ。

失敗するとせっかくのカッコいいムービーが台無しになったまま話が進んじゃうので、かなり残念なことに。

一方でこのQTE、決まると相当気持ち良いのだ。

成功したときの音が聴き心地良く、連続で決まっていくと戦闘の激しさとリンクして心がノッていく。

f:id:metalgearlovepotter:20210830071038j:imageタイミングよくボタンを押すことでプレイの評価が上がる場面も。この演出もやっててかなり気持ち良かった。

今作はステージ性でチェックポイントも多くやり直しが効きやすいので、2回3回とプレイを重ねてQTEに慣れていくのがこのゲームの楽しみ方なのだろう。が、やはり初見ではなかなか対応しきれない質と量があるので、もう少し初見でも対応できる程度の質にすれば良かったのにと思う。

それか、単純に自分がQTE苦手なだけ、なのかもしれない。

〜ストーリー性〜

アクションが派手ならストーリーも釣り合いとらないとね。という感じで、今作のストーリーはかなりスケールが大きく

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とにかく独自の世界観と強すぎるスケール感でプレイヤーを圧倒してくるところがかなり魅力的。

因果応"砲"ですよ。"報"じゃなくて"砲"ですからね。

因みに写真に写ってる『ゴーマ・ヴリトラ』ってやつは、青くて丸い地球の表面割って出てきてますからね。デカすぎる。

ちなみに上記四枚全部第一話でのお話ですから。

密度が高すぎる。

とにかくこんな感じで最初からかなり味濃いめな展開がなされる今作のストーリーだが、展開自体はそれなりにハードかつ分かりやすく仕上がっている。

人間の上位階級「神人類」が支配する「神国トラストリム」と呼ばれる唯一の巨大国家が文明の中心となり支配する世界。地上を覆う不浄が具現化した存在・ゴーマの脅威におびえながら人々は生活をしていた。アスラら八神将率いる神国軍は最凶の「ゴーマ・ヴリトラ」を「ブラフマーストラ」とアスラの娘である巫女ミスラの力を借りて辛うじて退ける。

家に帰り、妻と娘に歓待されるアスラ。しかし、アスラは八神将デウスらの陰謀に嵌まり神皇殺しの濡れ衣を着せられた上、妻を殺され、娘を攫われ、自らもデウスによって殺される。

アスラが目を覚ましたのは柱のような塔が林立する「間(はざま)の世界」だった。死のショックにより記憶を失い、自らが何者だったか思い出せないアスラはそこで出会った黄金の蜘蛛の言うとおりに柱を登り、現世に甦る。そこはアスラが殺されてから1万2千年後の世界で、相変わらず人々を苦しめるゴーマが闊歩し、そのゴーマとの最終決戦という大義のために民の魂を狩る「七星天」を名乗るかつての八神将たちだった。

「怒り」の赴くままに、アスラは戦いを始める。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アスラズ_ラースより引用

要は仲間に裏切られ、大切な人と自分の命までを奪われた主人公が怒りに任せて気に入らないやつらをぶん殴っていくというのが今作のストーリー。

大筋だけ見るととても分かりやすく単純化されたストーリーだが、そこに壮大なスケール感と複雑な用語が絡むことでかなり面白く仕上がっている。

特に作中で登場する敵キャラクターたちは皆身勝手な理想や正義を掲げるばかりで、「なんだこいつら」と思っているところを主人公がぶっ飛ばしてくれるのでかなり気持ちが良い。

最終的な結末も怒りに身を任せてきた主人公としては完璧な終わり方を魅せてくれるので、総じて非常に満足のいく内容だった。

〜まとめ〜

圧倒的なスケール感とシンプルさが魅力のゲーム。

それがこのアスラズラースだ。

QTEが多すぎるところが少し難ありだが、全体的に見るとかなり質の良いゲームだったと思う。

でも、でもやっぱり、

結末はDLC買って遊んでねってのは酷いと思う

 

買ったけど。

f:id:metalgearlovepotter:20210830075935j:imageさぁ、死合おうぞ!!