気ままにゲームレビュー#18 〜”愛”か、”死”か。〜

みなさん、浮気ってしたことありますか?もし不可抗力でそんな感じになったら、みんなきっとビクビクしちゃって怖くなりますよね〜。修羅場なんて絶対嫌ですよね。というわけで、そんな皆さんにオススメのゲームがこちら。

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ATLUS発売、キャサリン

今回はこちらをレビューしていきます。

〜ゲーム性〜

今作は修羅場ホラー×パズルというかなり異色めいたタイトルだ。そしてレビューを始める前に言っておきたいのだが、私はホラーとパズルというジャンルが大の苦手だ。そこら辺を憂慮して読んでいただけるとありがたい。

まずパズル要素についてだが、これはかなり面白い。天井へと伸びるブロックでできた塔を登るべく、目の前にあるブロックを前後左右に押したり引いたりして道を作っていくというのが基本システムだ。字面だけみると割と簡単そうに思えるが、実はこれ、めちゃくちゃ難しい

f:id:metalgearlovepotter:20211005142109j:imageブロックを押して足場を作っていく。登れるのは一段分の高さだけ。

主人公が登る塔は、時間が経過するにつれて地形を作っているブロックが下から崩れている設計になっているため、あまり悠長に考えていると落下してゲームオーバーになってしまう。

さらにこのゲームでは"辺と辺がくっつく"というわりと難解なシステムが採用されており、ここら辺のゲームシステムに慣れるまで結構な時間がかかる。始めた頃は「ノーミスで突破してやる」なんて息巻いていたけれど、本当に愚かだったなと今になって思う。

f:id:metalgearlovepotter:20211005142553j:image画面左下を見て欲しい。"辺と辺"がくっついているため、足場からはみ出していても落ちていないブロックがあるのがわかると思う。

このシステムのおかげで階段状の足場を簡単に作れる他、ゲーム攻略に必須となる様々な"業"が生まれているため、プレイしながら凄く感心してしまったのをよく覚えている。さらにこのブロックを動かして登っていくという一連の流れもとてもテンポ感よく演出されているため、やっていて飽きが来ないのが素晴らしい。

ゲームを進めると壊れる足場滑る足場爆発する足場なんかも増えてきてさらに難しくなる。パズルジャンルが苦手な私にとってはとてもハードルが高く、最近やったなかでは一番の疲労感を味わわされたかもしれない。だが面白いからついついやってしまう。それがこのゲームの魅力だ。

f:id:metalgearlovepotter:20211005154251j:image落ちれば"死"あるのみ。死に物狂いで駆け上がれ。

一方で不満点ももちろんある。なかでも特筆すべきはリザルト画面についてだ。ゲームではスコア計測の進行を◯ボタンなどでスキップできる機能がよくあるのだが、このゲームではそれがない。そのためスコアの計測が終わるまでどうしても待たなくてはならなくなるし、マルチエンディングを搭載している本作でこれはどうしても鬱陶しく感じてしまう。

本作はパズルの中でもしっかりとホラー要素を取り入れている。それは追い詰められる恐怖だ。

それが如実に現れているのが各エリアの最後に待ち受けるボス戦で、どのボスもプレイヤーが初見では分かりづらすぎる特殊な技を使ってくる。

f:id:metalgearlovepotter:20211005155011j:imageStage5、暴風の中庭のボス戦風景。何度もリトライさせられ心を折られかけた難関Stageだ。

定期的に聴こえてくるボスの怖すぎる叫び声や、激しい画面の揺れ、苛烈に襲いかかる死のギミックがプレイヤーの精神を追い詰め、疲弊させる。

もう勘弁してくれよと、ずっと思っていました。

〜ストーリー性〜

今作のストーリーはこんな感じ。

32歳のヴィンセント・ブルックスは、5年来の恋人・キャサリン・マクブライドとの関係に頭を悩ませていた。結婚願望があることを仄めかすキャサリンに対し、今はまだ気楽な独身生活を楽しみたいヴィンセントは、彼女にこれといった答えを出すことができず途方に暮れる。その最中、行きつけのバー『ストレイ・シープ』で深酒をあおっていたヴィンセントは、ひょんなことから恋人と同じ名前を持つ謎の美女・キャサリンと出会い、彼女に誘われるまま一夜を共にしてしまう。「酒の勢いとはいえ浮気をしてしまった」と焦るヴィンセントだったが、それ以来ヴィンセントは最近町で噂されている奇妙な悪夢にうなされる日々を送ることとなる。

「落ちる夢を見たとき、すぐに目を覚まさないとそのまま死ぬ」

夢を見るのは女性関係に問題を抱える若い男性だけであり、それを裏付けるかのようにベッドの上で衰弱死した男たちの死体が次々と発見されていく。同時に「悪夢の正体は、浮気癖のある男を恨んだ魔女の呪い」だという噂が流れるようになる。そんな中、恋人・キャサリンから妊娠を申告され、それと同時に浮気相手のキャサリンも大胆にアプローチをしてくるようになり、三角関係と悪夢は続き、ヴィンセントは始終苦悩するようになってしまう。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/キャサリン_(ゲーム) より引用

修羅場ホラーを売り出しているだけあって、なかなかに見事な修羅場を見ることができるのが本作のストーリーの魅力。

まず手放しに褒めたいのが、主人公である『ヴィンセント・ブルックス』のキャラクター造形だ。

彼は決して立派な人間ではない...というかクズなのだが、優しいところや妙に共感してしまう思考をすることがあったり、周りに多くの友人がいたりと、絶妙に現実世界に数多くいそうな憎めない男で、長年付き合っている彼女がいることにも納得させられてしまう。

f:id:metalgearlovepotter:20211005170014j:imageヴィンセント・ブルックス。汗かいたり瞳孔開いたり青ざめたり、とにかく表情豊かで人間味に溢れた良キャラ。

このゲームはアクションパートとアドベンチャーパートに分かれており、アドベンチャーパートでは酒場の客の悩みを聞いて彼らが悪夢を生き抜けるようサポートすることになるのだが、この客たちの悩みが三者三様でまた面白い。

f:id:metalgearlovepotter:20211005170956j:imageちゃんと悩みを聞いてあげないとみんな悪夢に飲まれてポンポン死んでいく。ちなみに僕は二人しか救えませんでした。

小刻みに揺れるカメラワークと音の使い方も見事で、初見の時はずーーーーーっとビクビクさせられっぱなしだった(やっぱホラーって怖いね)。

エンディングは大きく分けて恋人エンド浮気エンド自由エンドの三つが存在し、それぞれにバッド/ノーマル/トゥルーの3パターンがあるため合計9つもエンディングが存在することになる。

私はそのうち恋人エンドと浮気エンドのトゥルーバージョンを達成したが、やはり両方達成しないとスッキリしないストーリー構成だった。

f:id:metalgearlovepotter:20211005172147j:image元々付き合ってたキャサリン。生真面目でちょっと怖い。

f:id:metalgearlovepotter:20211005172323j:image突如現れてヴィンセントと肉体関係を持った浮気相手のキャサリン。急に死ぬとか殺すとかクールに言い出してちょっと怖い。

まぁつまりどっちもちょっと怖い女性なんだけど、そんな二人の間で焦りまくって汗ダラダラなヴィンセントがとにかく面白い。浮気の事実を隠すために嘘をつくシーンなんかも多いが、どれも切羽詰まって無理くり絞り出しているものばかりで情けなさすぎるのが笑えた。

〜まとめ〜

マルチエンディング仕様なのにステージがスキップ不可だったりエンディング以外でストーリーが変化するところがほぼないことや、難易度イージーがノーマル相当の難易度なレベルデザインなどなかなかに硬派で初心者お断りな作りの本作。全体的に見てやりごたえのある非常に良作のゲームであることは間違いないし、追加要素が加わった次世代機版も発売されているので、興味がある男性諸君はぜひ手に取って遊んでみて欲しい。あ、あと18歳以下は絶対やっちゃダメです。はい。

f:id:metalgearlovepotter:20211005173540j:image部屋に落ちてた彼女の髪の毛を胸から生えてたとごまかすヴィンセント。みんなも同じ状況になったらこの言い訳を使ってみましょう。

 

 

気ままにゲームレビュー#17 〜MTBは友情を育むことができる素晴らしいスポーツなんだ!!〜

皆さんは、MTBというものをご存知でしょうか?

MTBとはマウンテンバイクの略で、悪路に強い自転車に乗ったライダーが、指定されたコースで己のテクニックを駆使しながら速さを競い合うという競技です。足をつけないように障害物を越えていくトライアルや、山に造られた急斜面のコースを高速で下るダウンヒルなど、様々な種目があります。

というわけで今回レビューしていくゲームはこちら。

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TAITO発売、韋駄天翔DS 燃えろ!フレイムカイザー

なぜか誰も知らない超面白激アツ神アニメを題材にしたこのゲームを、ついに今回取り上げていきます。みなさん是非最後までお付き合いくださいね。

韋駄天GO!!

〜ゲーム性〜

このゲームに触れる前に、まずは元となっているアニメについて触れねばなるまい。

そう、韋駄天翔についてである。

韋駄天翔とは突然異世界に飛ばされてしまったMTB大好きな主人公とその仲間たちが、元の世界に帰るために韋駄天バトルと呼ばれるMTBのレースを繰り広げる超絶面白激アツ神アニメである。

f:id:metalgearlovepotter:20210913190534j:image本当にガチでおもしろい。

韋駄天バトルとは異世界で繰り広げられるMTBレースのことで、ライダーたちはバイク前面に取り付けられた自身のエンブレムをかけて、定められた三つのルールに違反しなければなにをしてもいいという危険なレースを行う。

作中でもさまざまなドラマを生んだこの韋駄天バトルを、なんとこのゲームでは体験できてしまうのだ。

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ゲームは通して上画面でレースの状況を確認しながら、下画面のタイヤアイコンをタッチペンで回して相手より先にゴールを目指すという構成になっている。

f:id:metalgearlovepotter:20210913192349j:image坂巻駆くんの親切な説明。

このゲームはスタミナ制度を採用しており、ただひたすらタイヤを回し続けているとすぐにスタミナが尽きてスピードが激しく低下。結果的にレースで勝つことは厳しくなるので、レースの最中はペダルを回す頻度にも気を遣わなければならなくなる。これが意外と感覚を掴むのが難しく、慣れるまで何度も敗戦を味わうことになったのも今となっては良い思い出だ。

このゲーム一番の特徴は、ジャンプ中に下画面に表示されるボードに特定のマークを描くことで発動できる“韋駄天アクション“だ。

より高くジャンプできる『バニーホップ』や空中で一回転する『サブロク』などその種類は豊富で、レースの状況に応じて使い分けることでよりカッコいいレース運びができる。特に序盤はマシンの性能が低いので、この韋駄天アクションをきちんと使いこなせないと勝つのは難しいだろう。

f:id:metalgearlovepotter:20210916173949j:imagef:id:metalgearlovepotter:20210916163624j:imageチェックマークを描くとバニーホップ。カッコよく決めよう。

前述の通りゲーム開始当初はマシンの性能がとても低く、序盤の敵にすら勝つのに苦労してしまう。

初めてプレイした時に「難易度高すぎないか?」と思ってしまったのはきっと自分だけではないはずだ。

ではどうすればマシンを強くできるのか?

そう、こういうレース系のゲームにはつきもののカスタマイズ機能である。

f:id:metalgearlovepotter:20210916171343j:imagef:id:metalgearlovepotter:20210916171349j:image

カスタマイズは全6箇所可能で、タイヤ以外の五箇所ではパーツのグレードを上げることで基本スピード、加速力、ブレーキ力、左右のカーブ性能がそれぞれ向上していく。

タイヤパーツだけ少し仕様が特殊で、砂漠コースならサンドタイヤ、雪道ならスノータイヤと、コースに合った適切なタイヤ選びをしないとスピードが極端に落ちてしまう。そのためレース開始前は必ずカスタマイズ画面を開くことになるが、これが少々面倒だった。また後述するがレース中の特別なイベントなどが無いため単調さが拭えない仕上がりになっており、これもかなりもったいなかったと言えるだろう。

〜ストーリー性〜

このゲームは韋駄天翔のゲームなので、当然ストーリーもアニメに準えたものになっている。

f:id:metalgearlovepotter:20210916211659j:imageMTBが大好きな少年、山登翔。この物語の主人公だ。

まずは前述の通り異世界に飛ばされてから初のレースとなる“廃墟のボス”との対決から始まり、アニメで登場した数多くのライバル達と戦うことになる。のだが、このゲームのストーリーはいささかボリューム不足だ。

f:id:metalgearlovepotter:20210916214407j:image廃墟のボス。こう見えて良いヤツなんだ。

翔に初めて黒星を与えた強敵“影見のシン“は出てこないし、このゲームではただレースをするだけで特にレース中にイベントや演出が挟まるなんてこともないので、獅堂京一のサンダーエンペラーとともに繰り出した”韋駄天クロス“も見ることはできない。

ストーリー中に操作できるキャラも翔だけなので、

ネプチューンが目覚める下りでも勝負を決めるのは翔だし、忍者ライダー孤影騎士ライダーアーサーの手に汗握る激闘もまるまるカットされてしまっている。アクアパレスの死闘も全カット(あの話めちゃくちゃ熱いし泣けるから大好きなのに)。

チームSTのボスである鮫島牙舞と彼が操る最凶の韋駄天バイクブラッディファングとの激闘まででストーリーは終わりを迎えるので、その後のチームX戦や物語の真の終わりを見ることができないのもかなり勿体無いところだろう。

せめてイルカのオーラを纏って水面を駆け抜けたネプチューンと獅堂まことの勇姿や、孤影の分身走法空中走行空刃鎌鼬、獅堂京一の獅堂スペシャ、アーサーとハンマーヘッドの大地を砕く走りと牙舞とブラッディファングが繰り出すブラッディインパクくらいはレース中に3Dモデルでしっかり再現してほしかった。

というか牙舞との決着で話が終わるならそこまでの31話分全部ゲームでもやって欲しかったなってずーーーーーーーーーーーっと思ってますよ僕は(ファンは欲張りだから)。

さて、すっかり熱くなって文章にも素が出てきてしまったので、話を戻して六台の韋駄天バイクとその搭乗者について解説しておこう(まだ終わりません)。※韋駄天バイクって?ー異世界においてめちゃくちゃ凄いバイクとしてその名を轟かせている6台のMTBのこと。どれもカッコいいし強い。

f:id:metalgearlovepotter:20210917005136j:image山登翔(やまとしょう):物語の主人公で、搭乗するのは現実世界で父親から譲り渡されたフレイムカイザー。他の誰にも思いつかないようなコースどりを瞬時に行えたり、いきなり小5とは思えないえげつない技を出せたりするいわゆる天才系主人公だが、ちゃんと思いやるべきところで思いやれたり反省するべきところで反省できたりするので嫌味が全くない凄いやつ。天才系あるあるの例に漏れずバカ。母親は弁当屋で、父親は行方不明(超重要)。レース中、集中力と気合が頂点まで達すると身体中に赤いオーラを纏いだし、最終的に真っ赤なホウオウとなってゴールまでひとっ飛びするという凄技を持つ。

f:id:metalgearlovepotter:20210917011532j:image獅堂まこと(しどうまこと):翔の親友の一人で、トライアルの天才と呼ばれる獅堂京一を兄に持つ駆け出しのMTBレーサー。搭乗するのはネプチューン。小5とは思えないほどの生活力を誇っており、異世界での炊事、洗濯は大体彼女がやっている。甘いものが大好きでブラコン。めちゃくちゃ可愛くてカッコいいけど強すぎてヒロインらしい活躍は特になかった。が、レース中の胸打たれる活躍はとても多い強カワ系ヒロイン。レーサーとしての成長が主人公の次に多く描かれていたのも彼女である。ネプチューンは水場に強いMTBで、水面を滑走したり、集中力が臨界まで達すればイルカのオーラを纏ってエゲツないスピードで相手をぶっちぎったりもできる。

f:id:metalgearlovepotter:20210917013814j:image獅堂京一(しどうきょういち):まことの兄で、トライアルの天才。翔の前に立ちはだかった最初のライバル。搭乗するのはサンダーエンペラー。翔たちより早く異世界に飛ばされてきていたため、彼らが知らないことをたくさん説明してくれる良いお兄ちゃん。諸事情により、物語序盤ではあまりにも隠せていない変装をしていた。小6とは思えないクールさと態度のデカさを持つ。天才と言われるだけあってMTBのテクニックはとても高く、獅童スペシャという必殺テクニックまで持っている。翔と協力して、MTB二台を中心として巨大な渦と雷のような火花を発生させる韋駄天クロスという大技を繰り出したこともある。

f:id:metalgearlovepotter:20210917015201j:image孤影(こえい):忍者ライダーの異名を持つ技巧派ライダー。その名の通り忍者。搭乗するのはエアロシザース。牙舞率いるチームSTの刺客として、翔たちを潰すべく立ちはだかった。初登場時からいきなり生身で大凧に乗りながらレースに乱入し、空中を走ったり分身したりとめちゃくちゃやらかしていった濃いヤツ。最初はめちゃくちゃ悪い顔をした悪いヤツだったが、のちに自分の走りに誇りを持ってたり病気の妹を養うために悪い感じ出してたりしたことが判明し、ただのキャラが濃い良いヤツになった。必殺技は烈風怒涛真空一閃・空刃鎌鼬で、空中で自身とバイクをめちゃくちゃ回転させることで巨大な竜巻を発生させる。分身や空中走行にはトリックがあったが、この空刃鎌鼬はガチの技だった。

f:id:metalgearlovepotter:20210917021540j:imageアーサー:普段はペンキ屋の格好をしている謎の凄腕ライダー。搭乗するのはハンマーヘッド。誰よりも気高いという言葉が似合う騎士道精神に溢れた人物で、あまりにも見た目が浮いている甲冑姿がトレードマーク。スランプに陥った翔にMTBに乗る理由を思い出させたりしてくれた頼れる人で、割と話の根幹に関わっている人でもある。めちゃくちゃイケメン。パワフルな走りが特徴で、コース上に設置された普通は避けるしかないような巨大な岩を突進で砕いて進むという豪快な技を持つ。

f:id:metalgearlovepotter:20210917023300j:image鮫島牙舞(さめじまがぶ):アニメ前半のラスボスにして、山登翔最大のライバル。搭乗するのはブラッディファング。元の世界ではチームシャークトゥースというMTBチームのヘッドを務めており、その実力はかなりのもの。こう見えて弟属性持ちで、翔たちの同級生でもある。小5とは思えないほどの狡猾さを持ち、チームSTという巨大組織を創り上げて異世界の大部分を支配してしまった末恐ろしいワルガキ。翔との決着後は徐々に浄化現象が始まり、少年漫画のセオリーに従ってめちゃくちゃデレた。必殺技はブラッディインパクで、技名を叫ぶと何故か爆発が起きて爆破地点に巨大なクレーターまで発生させる荒技。彼との最終決戦ではこの技が乱発されたおかげで、画面がかなりド派手なことになっていた。

〜まとめ〜

これって自転車レースのアニメだったよね?と思わせるめちゃくちゃな演出やストーリーと、少年の心を鷲掴みにする王道かつ胸熱な展開が光る韋駄天翔

最近この作品を調べる中で、原作となる漫画では韋駄天バイクはめちゃくちゃたくさんあること、メインキャラの一部が登場しなかったり立場が違ったりすること、そもそも原作では異世界になんか行ってないことが明らかになって益々ハマってしまっている自分がいる。

そんな韋駄天翔のゲームはメジャーハードのソフトとしてはおそらく本作だけでかなり貴重なので、原作またはアニメに是非ハマっていただいた後、このゲームをプレイして欲しいと切に願う。

以上。お付き合いいただきありがとうございました。

f:id:metalgearlovepotter:20210917031303j:image原作はIDATEN翔、アニメ版は韋駄天翔とタイトル表記まで違うんだぜ!みんな覚えておいてくれよな!!

 

 

 

 

気ままにゲームレビュー#16 〜怒髪天を衝け。〜

人はなぜ怒るのか?

それは、行動を起こすエネルギーにするためだ。怒りは人の原動力になる。

そしてそれは、神様にだって言えること。

そんな怒れる神様を描いた超ド派手なアクションゲームがこちら。

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カプコン発売、ASURA'S WRATH(アスラズラース

今回は、こちらのゲームをレビューしていく。

〜ゲーム性〜

まずこのゲームにおいて手放しで褒めたいと思うところは、映像・演出のド派手さである。

f:id:metalgearlovepotter:20210830061213j:imageいきなり始まる宇宙の命運をかけた最終決戦。画面に写ってる隕石みたいなのも全部敵。最初からクライマックスとはまさにこのことである。

やってて胃もたれしそうな程の派手さが、このゲームの魅力だ。

アクション自体の完成度も高い。いつでも使える通常攻撃と一度使うとしばらく使えなくなる強攻撃に、遠距離射撃やダウン技など、バリエーション豊富なアクションで確かな爽快感を得ることができる。

f:id:metalgearlovepotter:20210830062559j:image容赦なく敵をぶっ飛ばす。感覚的にはゴッド・オブ・ウォーとかに近い。

今作の面白いところは、最終的なクリア条件が敵を全部倒すとかではなく、敵をぶっ飛ばしまくってゲージを最大まで貯めるというところである。

ゲージを貯め終わるとR2ボタンでBURSTというものを発動でき、それをもって戦闘が終了する。この戦闘終了の演出が凄く派手でカッコいいし、なにより敵を倒すというアクションの単純さに新鮮味が足されていてとても良かった。

f:id:metalgearlovepotter:20210830064000j:image決めろ!BURST!!

ところで皆さんは、QTEなるものをご存知だろうか。

制限時間内に画面上に表示されたボタンやスティックを押したり倒したりする要素のことだが、集中力に瞬発力、そして精度が同時に要求されるので苦手な人も多いこの要素。

このアスラズラースというゲームではこのQTEという要素が"やりすぎ"なくらい採用されている。

f:id:metalgearlovepotter:20210830003649j:image個人的に最も苦手なスティックをぐるぐるするQTE。大体ミスる。

このQTEを全面にプッシュしたゲーム性が、このゲームの評価をとても難しくしているのだ。

まず初見で思ったのが、"数が多すぎる"ということと"判定がシビアすぎる"ということ。

ムービー中にはほぼ必ず挟まれる上に、怒涛の様相を見せる戦闘カット中でのQTEなので判定時間がとても短い。初見でその激しい戦闘に見惚れていたら急に挟まってきて慌てて反応できずに失敗なんてのもしょっちゅうなので、あんまり優しくないなと思ってしまったのが正直なところ。

失敗するとせっかくのカッコいいムービーが台無しになったまま話が進んじゃうので、かなり残念なことに。

一方でこのQTE、決まると相当気持ち良いのだ。

成功したときの音が聴き心地良く、連続で決まっていくと戦闘の激しさとリンクして心がノッていく。

f:id:metalgearlovepotter:20210830071038j:imageタイミングよくボタンを押すことでプレイの評価が上がる場面も。この演出もやっててかなり気持ち良かった。

今作はステージ性でチェックポイントも多くやり直しが効きやすいので、2回3回とプレイを重ねてQTEに慣れていくのがこのゲームの楽しみ方なのだろう。が、やはり初見ではなかなか対応しきれない質と量があるので、もう少し初見でも対応できる程度の質にすれば良かったのにと思う。

それか、単純に自分がQTE苦手なだけ、なのかもしれない。

〜ストーリー性〜

アクションが派手ならストーリーも釣り合いとらないとね。という感じで、今作のストーリーはかなりスケールが大きく

f:id:metalgearlovepotter:20210830071908j:imageだの

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とにかく独自の世界観と強すぎるスケール感でプレイヤーを圧倒してくるところがかなり魅力的。

因果応"砲"ですよ。"報"じゃなくて"砲"ですからね。

因みに写真に写ってる『ゴーマ・ヴリトラ』ってやつは、青くて丸い地球の表面割って出てきてますからね。デカすぎる。

ちなみに上記四枚全部第一話でのお話ですから。

密度が高すぎる。

とにかくこんな感じで最初からかなり味濃いめな展開がなされる今作のストーリーだが、展開自体はそれなりにハードかつ分かりやすく仕上がっている。

人間の上位階級「神人類」が支配する「神国トラストリム」と呼ばれる唯一の巨大国家が文明の中心となり支配する世界。地上を覆う不浄が具現化した存在・ゴーマの脅威におびえながら人々は生活をしていた。アスラら八神将率いる神国軍は最凶の「ゴーマ・ヴリトラ」を「ブラフマーストラ」とアスラの娘である巫女ミスラの力を借りて辛うじて退ける。

家に帰り、妻と娘に歓待されるアスラ。しかし、アスラは八神将デウスらの陰謀に嵌まり神皇殺しの濡れ衣を着せられた上、妻を殺され、娘を攫われ、自らもデウスによって殺される。

アスラが目を覚ましたのは柱のような塔が林立する「間(はざま)の世界」だった。死のショックにより記憶を失い、自らが何者だったか思い出せないアスラはそこで出会った黄金の蜘蛛の言うとおりに柱を登り、現世に甦る。そこはアスラが殺されてから1万2千年後の世界で、相変わらず人々を苦しめるゴーマが闊歩し、そのゴーマとの最終決戦という大義のために民の魂を狩る「七星天」を名乗るかつての八神将たちだった。

「怒り」の赴くままに、アスラは戦いを始める。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/アスラズ_ラースより引用

要は仲間に裏切られ、大切な人と自分の命までを奪われた主人公が怒りに任せて気に入らないやつらをぶん殴っていくというのが今作のストーリー。

大筋だけ見るととても分かりやすく単純化されたストーリーだが、そこに壮大なスケール感と複雑な用語が絡むことでかなり面白く仕上がっている。

特に作中で登場する敵キャラクターたちは皆身勝手な理想や正義を掲げるばかりで、「なんだこいつら」と思っているところを主人公がぶっ飛ばしてくれるのでかなり気持ちが良い。

最終的な結末も怒りに身を任せてきた主人公としては完璧な終わり方を魅せてくれるので、総じて非常に満足のいく内容だった。

〜まとめ〜

圧倒的なスケール感とシンプルさが魅力のゲーム。

それがこのアスラズラースだ。

QTEが多すぎるところが少し難ありだが、全体的に見るとかなり質の良いゲームだったと思う。

でも、でもやっぱり、

結末はDLC買って遊んでねってのは酷いと思う

 

買ったけど。

f:id:metalgearlovepotter:20210830075935j:imageさぁ、死合おうぞ!!

気ままにゲームレビュー#15 〜少年たちよ武装せよ!!〜

少年は誰しも(と言えば少々誇大表現かもしれないが)一度は変身ヒーローに憧れるものである。

そんな少年たちの憧れを引っ提げゲーム業界に新たな旋風を巻き起こそうとした意欲作がこちら。

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カプコン発売、ガイストクラッシャー。今回はこのゲームをレビューしていく。

〜ゲーム性〜

本作は『ガイメタル』と呼ばれる鉱石から変化した怪物、『ガイスト』と戦うステージ制のアクションゲームだ。

本作のメインターゲットが小さな子供たちであるためか、操作性はとっつきやすい非常にシンプルなものになっている。

ボタン同時押しやコンボ技といった複雑な操作はなく、全ての技がボタン単推しか長押しのみで手軽に出せるので、誰でもすぐに慣れることができるだろう。

またどのアクションもド派手なエフェクトや効果音を採用しているため、かなりの見応えがある。

f:id:metalgearlovepotter:20210611141130j:imageド派手な攻撃で敵を一掃。気分爽快だ。

今作は収集要素も取り入れており、全100種の『ガイストギア』と呼ばれる鎧を集めるのもこのゲームの楽しみ方の一つだ。

ガイストギアには三つの形態がそれぞれ用意されており、

f:id:metalgearlovepotter:20210611144852j:image攻撃と防御のバランスに優れた『メイルフォーム』。

f:id:metalgearlovepotter:20210611150041j:image防御を捨て攻撃に特化した『ウェポンフォーム』。

f:id:metalgearlovepotter:20210611150723j:imageガイストそのものへと変化する『EXフォーム』。

とどれも特徴的な仕上がりになっている。

序盤こそゴリ押しで進んでいくことができるが、中盤〜後半ではこの三つのフォームを使い分けなければ決してクリアすることはできないゲームバランスになっているので、この『フォームチェンジ』は作中でも重要な要素と言って間違いないだろう。

ガイストギアの入手法は全部で三種類。

ストーリーを進めることによる自動入手と、エリア奥にいる巨大なボスガイストを指定された条件で倒すことで発生する『クラッシュチャンス』、

そしてバンダイから発売されている玩具版ガイメタルとの連動である。

特に『クラッシュチャンス』は、成功させて初めてそのステージが「完全クリア」判定になるので、積極的に達成していこうと思わせてくれるいいシステムだ。

f:id:metalgearlovepotter:20210611161459j:image巨大な鉱石の塊をただひたすらぶん殴り制限時間内に破壊するクラッシュチャンス。日々の鬱憤をぶつけろ。

このゲームの一番の良さは、恐ろしいほど快適なテンポ感だ。1ステージの長さが程よく短いため、サクサク進める上にふとした時に「とりあえずやるか」と思わせる手軽さまである。しかもやると普通に面白いので、気づいたら「あれ?めちゃくちゃやってね?」となっているのだから恐ろしい。「俺暇すぎね?」と思わせてくるのも恐ろしい。

一方でこのゲームにも難ありなところはある。

それが、『技のカスタマイズ』についてだ。

このゲームには四人のプレイヤーキャラがいるのだが、各キャラそれぞれが様々な技を持っており、その中から三つを選んで X、Y、Aボタンに割り当てて使うことができる。

....ところでみなさん、『インヴォルブ』って、どんな技か分かりますか?『ヴァルカンザッパー』は?

『ヘルペネトレイト』って?これだけ言われてもさっぱり分からないですよね?

しかしてこのゲーム、技の説明がテキストで一切表示されないのだ。

f:id:metalgearlovepotter:20210619102847j:imageカスタマイズ画面はずっとこんな感じ。分からんし、多すぎるからよりこんがらがる。

技の内容を知るには実際に動かすしかないので、使ってみて使えない技だったらステージを最初からやり直して組み直すしかない。

しかも技はゲームを進めていく毎にどんどん増えていくので、とてもじゃないが全部は覚えきれない。

結果、使い慣れた強い技だけ使うかデフォルトのままいこうという発想に辿り着き、登場する技の大半は死ぬことになった。

これは先程触れた『ガイストギア』にも言えることだが、出てくる数の多さに比べて使おうと思える数があまりにも少なすぎる。それぞれの作りがしっかりしている分、これはかなり惜しい。

〜ストーリー性〜

先に言っておくと、今作はメディアミックス作品だ。

なのでストーリーも漫画、アニメとさまざまなところで展開されているのでそれらを観ればまた評価も変わるだろうと思うが、今回はこのゲーム中で描かれるストーリーのみを見てレビューしていく。

このゲームのストーリーは、とにかく王道を地でいくどこかで聞いたことがありそうな展開のオンパレードだ。

主人公は弁当屋の息子でバカな熱血感。

仲間には優しくて真面目なお兄ちゃんキャラにクールガイ等がいて、少々ワイルドなライバルキャラがいる。

f:id:metalgearlovepotter:20210619110945j:image正体不明の敵組織のボス『Ω』。話がテンプレすぎるので、初登場からすぐの段階で誰だか察しがつく。

本当にテンプレすぎて最初から最後までストーリーを予想するのが簡単すぎて逆に面白かった。

一方でストーリーはほぼ全編立ち絵で描かれるので、緊迫感や盛り上がりがほぼ無いのはいただけない。

建物が崩れたり、強大なガイストが立ち塞がったり、「絶対アニメーションで表現した方がいいよ」と思うところでもずっと立ち絵のまんま。

しかも突然アニメーションが始まったと思ったら超短い尺に収まった挙句に画質がちょっと悪いという始末なので「おぉ...」としか言いようがなかった。

展開もなんだかんだワンパターン。

劇中で四人の敵幹部が出てくるのだが、揃いも揃って

超強力なガイストとそれが眠っていた拠点を蘇らせました→ガイストを制御できませんでした→ガイスト倒されました→拠点崩れ出しました→「うわぁぁぁ〜瓦礫の巻き添えにぃ〜」

で終わり。ガラガラ〜「ぐわぁー!!」の雑すぎる演出は一見の価値ありである。

プレイヤーキャラ五人はなんだかんだ好きなので、最後に軽く紹介しておく。

f:id:metalgearlovepotter:20210619113420j:image白銀レッカ:主人公。熱血バカの大食い野郎。口癖は「〜盛り!!」ご飯の大盛りとかとかかってる。成長したのかしてないのかよく分からん。

f:id:metalgearlovepotter:20210619113632j:image金剛寺ハヤト:真面目な優男。レッカの先輩。お兄ちゃん属性持ち。口癖は「ゴールデンだな」。たまに融通が効かないけど基本いいやつ。一番好きかも。

f:id:metalgearlovepotter:20210619113921j:image真銅クラマ:口調が軽い忍者。正直劇中で忍者要素は一切活かされてない。目立った口癖や口調がないため他の奴らと比べるとキャラ薄め。頑張れ。

f:id:metalgearlovepotter:20210619114152j:imageシレン・クォーツハート:クールな一匹狼っぽいやつ。でも仲間になってからは普通にみんなと海ではしゃいでた。「協奏曲〜」とか「開演だ〜」とかよくコンサートに例えた喋り方をする。こいつの喋り方が一番面白い。

f:id:metalgearlovepotter:20210619114455j:image黒曜イズナ:主人公たちと対立するライバルキャラ。後々仲間になる。そしてデレる。ここまでテンプレ。技を出すときに「おれの怒りは派手だぞぉ〜!!」とか言っちゃうやべーやつ。

〜まとめ〜

オリジナルのOPまであって、メディアミックス作品で、全編フルボイスと並々ならぬ気合いだけは伝わってくる本作。中古で100円で買えたりゲーム自体の内容からなんとなく「売れなかったのかな...」と察してしまう(実際売れなかったらしい)。

が、個人的には普通に良作ゲームだと思うので、またなんかの形で復活しても良いかもねと思う。

それではまた次回。

f:id:metalgearlovepotter:20210619115615j:imageちなみにタイトルの『武装』は「ガイストオン」と読みます。間違えないでね。

 

 

 

 

 

気ままにゲームレビュー#14 〜人類には、ペプシコーラが必要だ!〜

人間にとって一番大切なもの、それは「水分」。

そんな水分の中でも最高の部類に入るもの。それがコーラ。

みなさんも

 

「コーラコーラペプシコーラコーラコーラコーラペプシコーラコーラコーラコーラペプシコーラ

 

そう思うことがよくありますよね?

そんな人々の欲望を満たしてくれる正義のヒーローの活躍を描いたゲームがこれ。

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KID発売、ペプシマン

今回は、現在Am◯zonで10000円を超えるプレミア価格がついているこのゲームをレビューしていく。

〜ゲーム性〜

今作の作りは非常にシンプル。画面前方向に伸びる道をひたすら走り続けるペプシマンを操作し、ジャンプ(×)スライディング(□)ダッシュ(↑□)ブレーキ(↓□)の四アクションを駆使してゴールを目指すという作りだ。

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道中はたくさんの障害物とシビアな制限時間が相まってかなり臨場感があり、ステージも遊び心があふれた作りになっていてバリエーションも豊かで素晴らしい。

f:id:metalgearlovepotter:20210531122520j:image屋内を土足で踏み荒らす正義のペプシヒーロー。

f:id:metalgearlovepotter:20210531135125j:image土管を被ってしまい工事現場につっこむペプシヒーロー。方向キーの操作が逆になっていて難しい。

やり込み要素もしっかりと用意されており、道中に落ちているペプシ缶を全て集めたり、タイムアタックに挑戦したり。達成項目に応じてペプシマンのニューコスチュームが解放されるのでやりがいがある。

ステージBGMも意外とカッコいいメロディーと「ペプシマ〜ン」とか「ペプシペプシペプシ!」などと一切自重せずに叫びまくる歌詞が非常に癖になるので、遊んでいてとても楽しい気分になれるのだ。

多少初見殺しめいた仕掛けが散見されるものの、総じてこのゲームの遊びやすさと楽しさは素晴らしい出来になっていると言って差し支えないだろう。

〜ストーリー性〜

このゲームは見てわかる通りペプシコーラの広告塔としての役割を持ったゲームなので、ストーリーの内容もペプシコーラを全面に押し出した非常にカオスな内容となっている。

まず主人公でありタイトルにもなっているペプシマンについてだが、彼は決して戦うヒーローではない。ただ、ペプシコーラを欲する人々にペプシを供給するのが彼の使命なのだ。

f:id:metalgearlovepotter:20210531141108j:imageペプシを届けてほしいと依頼を受けるペプシマン

この世界でのペプシコーラ人気は絶大で、ペプシが欲しくて暴動が起きかけるレベル。どうかしているかもしれないが、これが普通なのである。

全編通して軽快なテンポ感と不条理な展開が魅力で、いきなりトラックに突き飛ばされたり頑張ってゴールしたと思ったらビルの屋上から転落したりとツッコミどころは満載。が、みんななんか楽しそうなのでこっちまで楽しくなってくる。

f:id:metalgearlovepotter:20210531141732j:imageペプシが来て大喜びな市民たち。盛大に盛り上がってくれる。

最終的にはペプシ不足で暴走した大都市のメインコンピュータを助けに向かうという壮大(?)な内容に発展するというのだからどうかしている。

だが、それがこのゲームの魅力なのだ。

〜まとめ〜

いわゆるバカゲーの部類に入る今作。

ダメージを受けた際のペプシマンのリアクションが面白かったり、ステージ演出がぶっ飛んだものが多かったり、一切自重せずにペプシをゴリ押ししてくる作風などてんこ盛りな内容で、プレイしてからクリアするまで一切飽きさせないという隠れた...というか逆に有名な迷作。

いつか新作が出てくれることをか細く願いながら、今回は終わろうと思う。

それでは、また次回。

f:id:metalgearlovepotter:20210531142758j:imageペプシを飲もう”

 

 

気ままにゲームレビュー#13 〜この世の命が、蘇る〜

ゲーム業界では、面白さだけでなくグラフィックも非常に重要視されている。だが、グラフィックの良さは一口に『リアルさ』だけでは判断できない。

それを身をもって表現してみせた、発売当初から語り継がれている名作がこれ。

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カプコン発売、大神〜絶景版〜。今回は、このゲームをレビューしていく。

 

〜ゲーム性〜

 

このゲームを始めてまず惹かれるのが、まるで水墨画で描かれたかのような、芸術的なフィールドだ。圧倒的に作り込まれたそれはプレイヤーに神秘さえ感じさせ、ただキャラクターを走らせているだけでも充分に楽しい。

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戦闘面もいい。四足歩行の“”という生き物を最大限活かしたアクションは、非常にクールだ。『鏡』『勾玉』『剣』という三種のアイテムを装備することで異なるアクションを楽しめるので、戦略性も充分に確保されている。

冒険の先で挑むことになるダンジョンでは、数々の謎解きがプレイヤーを阻む。頭を捻らせながら謎を解き、ダンジョンの深奥まで辿り着けた時の達成感は、一度味わうと忘れられないだろう。

さらにこのゲーム一番の特徴は、『筆しらべ』というシステムだ。

R1ボタンで開いた専用画面に線や図形を描くことで、特定の技を繰り出すことができるこのシステムは、ゲームの根幹を担う重要な要素である。

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横一文字に線を引くことで敵や障害物を切り裂く『一閃』、空に丸を描くことで太陽を出現させる『天照』、木の幹をまるで囲うことで花を咲かせる『開花』など、その種類は様々。謎解きでも使う場面が来るこのシステムは、ゲームのアクセントととしては充分すぎる機能をそなえている。

カメラワークが絶妙に悪いことを除けば、非常に高い完成度の内容であることは間違いない。

 

〜ストーリー性〜

 

今作の評価を最も上げているのが、日本の神話や民話をベースとしたストーリーである。

天照大神かぐや姫など、日本で生まれ育った人なら必ず知っているか、名前くらいは聞いたことがあるものがベースなので、観ていて飽きない。

さらに、時折挟まるギャグや主人公のわんこが見せる激カワな仕草で、癒されながら旅を進めることができるのだ。

f:id:metalgearlovepotter:20190524111614j:image精霊に頭を小突かれてイラつく犬もとい大神。かわいい。

ただ、このストーリーには悪いところもある。

当初最大の敵と思われていた存在を倒すところまでは盛り上がりしか見せないのだが、それが終わってからしばらく中弛みが激しい。

それは別の地方に行ってそこで暴れる妖怪を倒すという展開の繰り返しだからなのだが、一パートが長いのでどうにも惰性で進まざるを得なかったのが残念なところである。

しかし、終盤からエンディングにかけた非常に素晴らしい流れは確実にプレイヤーの心を掴み、涙腺を崩壊させるのは間違いないだろう。

奇を衒ったストーリーでは決してないが、正に王道を地でいくところに、この物語の真髄はあるのだ。

 

〜まとめ〜

 

可愛い動物を操って世界の危機を救って最後は感動できる。何度もリメイクされるのにも納得できる、素晴らしい内容のゲームである。

それではまた次回。

f:id:metalgearlovepotter:20190524112404j:image超可愛いヒロイン。このゲームの女性陣はみんな可愛いのだ。

 

 

 

 

気ままにゲームレビュー#12 〜いま魂(ソウル)が試されようとしている〜

皆さんは「死にゲー」というジャンルをご存知だろうか。初見殺し、一撃が重すぎる強い雑魚敵。初見では攻略不可能とまで思えるボスキャラ。そんな恐ろしい要素を寄せ集めたジャンルの代表格とも言えるシリーズの、始まりの作品がこれ。

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ソニーコンピュータエンタテインメント発売の、デモンズソウル。ゲーム性とストーリー性に分けて、れっつゲームレビュー。

 

〜ゲーム性〜

 

まず今作を語るより先に、ダークソウルという作品に触れておこう。ダークソウルもまた死にゲーであり、このデモンズソウルの流れを汲んだ作品である。自分はこのダークソウルをクリアしてからこの作品に臨んだため、少し余裕があった。

「俺ならクリアできる」と、少し楽観的になっていたのだ。だがそれは阿呆の極みだった。

このゲーム、恐ろしいほどに硬派なのである。ステージ中にはチェックポイントがボス戦場所以外一切無く、死ねば本当に最初からだ。それ故に気力がゴリゴリと削られていく。

ボスもとても強い。一撃も与えられず死ぬなんてこともあった。そしてレベルアップに必要な経験値は一度死ぬとその場に落としていってしまうので、復活後は取りに戻らないといけない。

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f:id:metalgearlovepotter:20190322004022j:image恐らく最強の一角である『タカアシ鎧蜘蛛』。最初の絶望。

この極限までプレイヤーを追い詰めてくるレベル設計が、ダークソウルの比ではないのだ。恐ろしい、本当に。だが、理不尽ではない。

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今作はステージ選択制で、しかも拠点への帰還も自由。故に、攻略の筋道は非常に立てやすくなっている。敢えて難易度の高いステージを最初に選択してレベルだけ上げる、武器強化アイテムが手に入りやすいステージで武装を強化してから挑むなど、その道のりはプレイヤー次第。最初攻略できなかった場所も気づけば攻略できるようになっており、全てが終わった時、喜びがどっと押し寄せてくるのだ。この快感は、プレイしたものにしか味わえないだろう。

 

〜ストーリー性〜

 

後発のダークソウルシリーズが暗鬱かつ複雑難解なストーリーなのに対し、今作は割とわかりやすい。

恐ろしい魔物が復活したことで世界が滅亡の危機に瀕し、魔物を封じるべく主人公が戦いの地に赴いたという流れが冒頭にナレーションで雰囲気たっぷりに教えてもらえるので、自分がいま何をしているのかすぐに理解できる。

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主人公はラスボスを封じるべく各地の強力な魔物を倒していくのだが、こいつらがまた個性派揃いだ。

目が見えなかったり、いきなり分身する上に元凶を見つけない限り何度でも復活したりと、印象に残らないボスキャラは非常に少ない。

f:id:metalgearlovepotter:20190322024725j:image個人的に一番好きな聖女アストラエア。このボス戦の雰囲気は圧巻の一言に尽きる。

さらにラストは分岐システムが採用され、まさに『魂(ソウル)が試されている』というキャッチコピーに相応しい幕切れと言えるだろう。

 

〜まとめ〜

 

このゲームは、まあ何とかなるでしょうという気持ちでは絶対にやってはいけない。それなりの覚悟を持って臨まないと、クリアは難しいだろう。だが、その先にある快感を得るには、プレイするしかない。是非多くの人に、自らの魂(ソウル)の限界を試してもらいたい。

それではまた次回。

f:id:metalgearlovepotter:20190322025942j:imageキャラ紹介画面。超かっこいい。