気ままにゲームレビュー#13 〜この世の命が、蘇る〜
ゲーム業界では、面白さだけでなくグラフィックも非常に重要視されている。だが、グラフィックの良さは一口に『リアルさ』だけでは判断できない。
それを身をもって表現してみせた、発売当初から語り継がれている名作がこれ。
カプコン発売、大神〜絶景版〜。今回は、このゲームをレビューしていく。
〜ゲーム性〜
このゲームを始めてまず惹かれるのが、まるで水墨画で描かれたかのような、芸術的なフィールドだ。圧倒的に作り込まれたそれはプレイヤーに神秘さえ感じさせ、ただキャラクターを走らせているだけでも充分に楽しい。
戦闘面もいい。四足歩行の“狼”という生き物を最大限活かしたアクションは、非常にクールだ。『鏡』『勾玉』『剣』という三種のアイテムを装備することで異なるアクションを楽しめるので、戦略性も充分に確保されている。
冒険の先で挑むことになるダンジョンでは、数々の謎解きがプレイヤーを阻む。頭を捻らせながら謎を解き、ダンジョンの深奥まで辿り着けた時の達成感は、一度味わうと忘れられないだろう。
さらにこのゲーム一番の特徴は、『筆しらべ』というシステムだ。
R1ボタンで開いた専用画面に線や図形を描くことで、特定の技を繰り出すことができるこのシステムは、ゲームの根幹を担う重要な要素である。
横一文字に線を引くことで敵や障害物を切り裂く『一閃』、空に丸を描くことで太陽を出現させる『天照』、木の幹をまるで囲うことで花を咲かせる『開花』など、その種類は様々。謎解きでも使う場面が来るこのシステムは、ゲームのアクセントととしては充分すぎる機能をそなえている。
カメラワークが絶妙に悪いことを除けば、非常に高い完成度の内容であることは間違いない。
〜ストーリー性〜
今作の評価を最も上げているのが、日本の神話や民話をベースとしたストーリーである。
天照大神やかぐや姫など、日本で生まれ育った人なら必ず知っているか、名前くらいは聞いたことがあるものがベースなので、観ていて飽きない。
さらに、時折挟まるギャグや主人公のわんこが見せる激カワな仕草で、癒されながら旅を進めることができるのだ。
精霊に頭を小突かれてイラつく犬もとい大神。かわいい。
ただ、このストーリーには悪いところもある。
当初最大の敵と思われていた存在を倒すところまでは盛り上がりしか見せないのだが、それが終わってからしばらく中弛みが激しい。
それは別の地方に行ってそこで暴れる妖怪を倒すという展開の繰り返しだからなのだが、一パートが長いのでどうにも惰性で進まざるを得なかったのが残念なところである。
しかし、終盤からエンディングにかけた非常に素晴らしい流れは確実にプレイヤーの心を掴み、涙腺を崩壊させるのは間違いないだろう。
奇を衒ったストーリーでは決してないが、正に王道を地でいくところに、この物語の真髄はあるのだ。
〜まとめ〜
可愛い動物を操って世界の危機を救って最後は感動できる。何度もリメイクされるのにも納得できる、素晴らしい内容のゲームである。
それではまた次回。
超可愛いヒロイン。このゲームの女性陣はみんな可愛いのだ。