気ままにゲームレビュー#3 〜戦いは蘇り、新たな歴史になる〜
クウガから始まり、平成最後の作品であるジオウまで続いた自分も大好きな仮面ライダーシリーズ。そのウィザードまでの活躍を詰め込んだゲームがこれ。
バンダイナムコゲームス発売の、仮面ライダー バトライド・ウォー。今回はこのゲームを、ゲーム性とストーリー性に分けてレビューしようと思う。
〜ゲーム性〜
仮面ライダーを題材にしたゲームは、毎年ライダーが放送中の年に対戦型格闘ゲームの形で発売されていた。今作は、その流れを打破するかのように世に放たれたゲームだ。
故に荒削りな部分もあるが、今作はシリーズ一作目でありながらしっかりとした完成度を誇っている。
基本はこんな感じに、大量に湧いてくるザコ敵を簡単なコマンド(ほぼ◯・△・△+◯のみ)で打ち出せる技を駆使し、なぎ倒しながら進んでいく。
出せる技はどれもライダー好きなら知っている技ばかりで、エフェクトも派手なため使っていて楽しいし、各ライダーのレベルを上げれば使える技やチェンジできるフォームもどんどん増えていく。
また一部の技はファンを唸らせる仕様になっていたりもするので、ライダーファンは必見の内容になっている。
敵が硬すぎたり遠距離武器を使ってくる敵が鬱陶しすぎるなどの懸念点はあるものの、概ね一定の水準を保っていると言っていいだろう。
このゲームが売りにしていた要素の1つに、バイクに乗ってステージを駆けるという要素がある。が、これがあまり活かしきれていない要素となっている。
バイクに乗って進めば早く目的地につけるため確かに快適なのだが、逆にそれ以外の用途がない。
バイクに乗っている間はただ走ることしか出来ず、敵も何故か優しく道を空けてくれてしまう。
一応ジャンプ台から飛び上がって突進することで敵の耐久力が高いヘリを一撃で落とせるという要素があり結構楽しいのだが、これも一部のステージ限定なので少し物足りない。
せっかくならバイクに乗りながら攻撃して敵を薙ぎ倒すといったライダーらしいアグレッシブなアクションを楽しみたかったというのが正直な感想である。
しかし今作には、そんな微妙な不満を全て吹き飛ばすほどの酷い要素がある。それが、とことん追求された”使い回し“精神である。
ステージは景色だけ変わった特に特徴の無い4〜5ステージをローテーション。
ミッションもオブジェを壊し、敵を倒し続け、バイクでタイムアタックの繰り返し。
ボスキャラも『記憶の具現化』と最もらしい理由をつけて使い回し。
一作目ということを鑑みても使い回しが目に余る内容で、使えるライダーもクウガ〜ウィザードまでの主人公ライダーとバース、メテオ、ビーストと少ないため当然終盤になるにつれてダレてしまう。
せめてラスボスくらいはオリジナルの敵かなにかを出して盛り上げてほしかった。
少し不満が強めに出てしまったので、再びこのゲームの良いところを紹介しようと思う。
まずは先にも少し触れたレベル要素。キャラゲーに手を伸ばすゲーマーは大体使いたいキャラがいるのが常であり、それが性能差の振るいにかけられるのは非常に残酷だ。今作は、それをレベル制度で打破している。
どのキャラもレベルを上げることでラストステージ高難易度までクリアする力を得ることが可能で、それがそのままやり込み要素としても機能するので非常にお得だ。
レベル99でカンスト。レベルが上がるごとに必殺技や別フォームが解放される
また、スキルを3つまでセットすることが可能で、攻撃範囲強化、体力増強など豊かなバリエーションになっている。
各キャラの再現性も非常に高く、好きなら好きなだけ楽しくなれるプレイアブルキャラが勢ぞろい。強力なフォームでボスキャラを叩きのめし、最後は基本フォームに戻って必殺キックでフィニッシュなんてできたら盛り上がること間違いなしである。
〜ストーリー性〜
こ ん な 歴 史 は い ら な い 。
今作にはオリジナルのストーリーが用意されているのだが、これが怒涛の勢いで滑っている。親の顔より見た親子ネタなのだが、延々と続く代わり映えのないミッションの最中に唐突に挟まるので、何一つ興味が湧かない。心情描写も少なく、しかも最後は捻りのないハッピーエンドなので、やり遂げた後に沸く感情は「ふーん、よかったね。」のみである。
この人だかなんだか分からないのがオリジナルキャラクターのカナリア。せっかく高まっているテンションを下げてくる光る悪魔。
今作では、各作品の過去の名シーンが再現されていることも事前の売りの一つだった。
クウガとダグバ・ゼバの雪上の一騎打ち、アクセルとウェザードーパントの因縁の戦い、フォーゼの卒業式など、自分も楽しみなエピソードがたくさんあったのだ。
が、蓋を開けてみれば、せっかくの名シーンに水を差すカナリアのセリフの数々に興を削がれる毎日であった。
せっかくオリジナルキャストの方々を声優として呼んで名作エピソードの再現を試みたのなら、各話ごとに独立した描き方をしてほしかった。
協力を求めてたライダーを連れ去られた時の反応。ちなみにこれで二度目。ポンコツである
PS2のソフトで、『ウルトラマンファイティングエボリューション3』というウルトラマンのキャラゲーがある。この作品も歴代の名エピソードを再現したゲームなのだが、こちらは無駄なオリジナルキャラもストーリーも存在せず、原作再現に絞った非常に素晴らしい作品だ。ジャンル違いとはいえ、同じような作り方をこの作品にもしてほしかった。
〜まとめ〜
色々と言いはしたが、声優もオリキャスで豪華だし、技の再現性も非常に高くて製作陣の愛を感じるので、ライダー好きならやっておいて損はない作品だと思う。
それではまた次回。
ちなみに僕は龍騎が一番好きです。